風は目に見えない存在ですが、古くから人々の生活と深く結び付いてきました。
嵐を呼ぶ強い風、春を運ぶやわらかな風、航海を助ける追い風。そうした自然の力は、多くの文化で神の姿として語られてきました。
世界各地の神話には、風を司る神々が登場します。
北風・南風のように方角ごとに分かれた神、嵐を起こす荒々しい神、そよ風のような穏やかな神格まで、その姿は地域によってさまざまです。
ギリシア神話のボレアースやゼピュロス、インド神話のヴァーユ、日本神話の風神など、風の神は多くの神話に登場します。
また、風を象徴する女神や精霊も伝えられており、自然への畏敬や祈りが神話として残されています。
このページでは、世界の風の神一覧として、各神話に登場する代表的な風神や風の女神を紹介しています。
神々の名前や背景を知ると、神話の世界がより立体的に感じられるはずです。
世界の風の神一覧

風の男神
- アイオロス(Aeolus)
ギリシア神話。風そのものの神というより、諸々の風を支配・管理する「風の王」「風の守護者」として知られる存在です。 - アパルクティアス(Aparctias)
ギリシア神話。北寄りの風を司る神格として扱われる名です。方角と結びついた風神の一柱として挙げられます。 - アフェリオテス(Apheliotes)
ギリシア神話。東風を司る風神の一柱です。実りや穏やかな気候と結び付けて語られることがあります。 - アルゲステス(Argestes)
ギリシア神話。西寄り、あるいは北西寄りの風として伝わる神格です。古典資料では方角風の一つとして扱われます。 - ボレアース(Boreas)
ギリシア神話。北風の神として有名で、冷たく力強い風を象徴する代表的な風神です。 - カイキアス(Caicias)
ギリシア神話。北東風の神です。八方位の風神の一柱として知られています。 - エエカトル(Ehecatl)
アステカ神話。風を司る神で、しばしばケツァルコアトルの一形態として語られます。 - エヘカトトンリ(Ehecatotontli)
アステカ神話。多数の風の精霊・風神群を指す名で、そよ風やさまざまな風の力を表す存在です。 - エンリル(Enlil)
メソポタミア神話。大気・風・空気と深く結び付いた重要神で、「風の主」の意味をもつ名でも知られます。 - エウロノトゥス(Euronotus)
ギリシア神話。南東寄りの風を表す神格で、方角風の体系の中で扱われる存在です。 - エウロス(Eurus)
ギリシア神話。東風、または南東風とされることのある風神です。古典では主要な風神の一柱に数えられます。 - 飛廉(Fei Lian)
中国神話。激しい風を起こす風の霊的存在で、後には風伯と結び付けて語られることもあります。 - 風伯(Feng Bo)
中国神話。風をつかさどる代表的な神格で、中国の風神としてよく知られる存在です。 - 風神(Fūjin)
日本神話・仏教習合。袋に風を収めた姿で表される、日本でもっとも有名な風の神の一柱です。 - リプス(Lips)
ギリシア神話。南西風の神です。海や航海と関わる風として表現されることがあります。 - マルト神群(Maruts)
ヒンドゥー教。風そのものというより嵐・疾風・雷鳴と結び付いた神々の集団で、荒々しい気象の力を象徴します。 - ミクトランパチェカトル(Mictlampaehcatl)
アステカ神話。北風を司る神格として伝わる存在です。 - ニョルズ(Njord)
北欧神話。主に海の神として有名ですが、風の流れや航海とも結び付いた神として伝えられています。 - ノトス(Notus)
ギリシア神話。南風の神で、湿り気を帯びた風や嵐を運ぶ存在として知られます。 - パズズ(Pazuzu)
メソポタミア神話。厳密には風の悪魔・風魔王とされ、とくに有害な風と結び付けられる存在です。

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