日本語には、日々の暮らしの中ではあまり耳にしないけれど、心の奥にじんわりと染み入るような美しい言葉がたくさんあります。
それが「雅語」や「大和言葉」と呼ばれる、古くから伝わる日本語の宝物。
四季のうつろいや人の心情を、たった一語で鮮やかに表現するこれらの言葉は、まさに言霊。
ここでは、そんな心に残る120の美しい日本語を集めてご紹介します。
あなたの心にそっと寄り添う一語に、きっと出会えるはずです。
美しい雅語・大和言葉120選
【1】感情を映す言葉
人の心の機微や情緒を繊細に表現する、日本語ならではの言葉たち。愛しさ、哀しさ、なつかしさ…そのひとつひとつに、時代を超えて共感できる思いが込められています。
- あはれ:しみじみとした感動や哀愁、美しさを感じる心
- かなし:いとしい、かわいらしい気持ち
- なつかし:心ひかれる、親しみを感じる思い
- いとおしむ:大切にする、慈しむ心
- おもはゆし:気がひける、恥ずかしいような気持ち
- しのぶ:思い慕う、恋い慕う気持ちを胸に秘める
- おぼつかなし:はっきりせず、不安で気がかりな気持ち
- たましひ:魂、心の奥に宿る力強い思い
- こころ:人の心、感情、思いそのもの
- いとけなし:幼く、あどけない様子に感じる愛しさ
- なごむ:気持ちがやわらぎ、穏やかになる感情
- うたて:嫌な感じがする、不快で情けない思い
- なつかしむ:過去や人を恋しく思い出す心
- つれづれ:何もすることがなく、ふと湧く感情や物思い
- いぶせし:気が晴れない、心が重くなるような感覚
- あさまし:驚きあきれる、悲しみ・失望を含んだ感情
- なごり:別れの時の残る思い、去りがたい感情
- もののあはれ:人生や自然の儚さに感動する心の深まり
- ささやき:そっと語りかけるような、やさしい気持ち
- ほほえみ:やさしく微笑む、穏やかな心の表れ
【2】自然と季節を感じる言葉
風や雨、月や空──四季の移ろいとともにある日本の暮らし。その豊かな自然を感じ取る、やわらかな言葉たちです。自然の情景を詠む和歌や俳句にもよく登場します。
- しぐれ:晩秋から初冬にかけて降る、物悲しいにわか雨
- あかつき:夜が明ける直前の時間帯、明け方
- そよかぜ:やさしく吹く風、心地よい微風
- おぼろ:春の夜の、かすんでほのかにぼやけた景色
- かすみ:春に立ちのぼる白く淡いもや、幻想的な景色
- あおぞら:晴れ渡る空、青空
- たそがれ:日が沈み、空が次第に暮れていく時間帯
- しののめ:夜が明ける頃、東の空がほのかに明るむ時分
- つくよ:月の夜、月明かりに包まれた幻想的な夜
- はなだ:青と藍の中間のような、やさしい色合いの青色
- うららか:陽光がやわらかく、穏やかに晴れた様子
- うらうら:のどかで、春の陽気に包まれたような様子
- いにしへ:昔、過去の時代。古代の自然や文化を思う言葉
- しらべ:風や水など、自然が奏でる調和のある音色
- ふくよか:自然の中の丸みや豊かさを感じる形容
- ひかり:陽や月がもたらす光、輝き
- ともしび:自然の光とは違う、人の営みの灯り、小さな火
- たゆたう:水面や風に揺られて、漂う様子
- まほろば:自然豊かで美しい場所、理想郷
- ゆらゆら:自然界の揺れ、光や水がたたえるやわらかな動き
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