【3】美しさ・趣をあらわす言葉
「みやび」「をかし」など、美意識に満ちた言葉たちは、日本文学や文化に深く根差しています。ものの見方・感じ方を豊かにする、心を磨く表現が集まります。
- をかし:趣がある、美しい、面白みがある
- みやび:上品で洗練された美、風流な振る舞い
- うつくし:可愛らしくて愛らしい、美しい
- かぐわし:良い香りがする、美しく気高い印象
- うるはし:端正で整った美しさ、上品で整っている様子
- みめよし:顔立ちや姿かたちが美しいこと
- たをやか:しなやかで優雅な美しさ、柔らかさ
- きよら:清らかで澄んだ、純粋な美しさ
- ふんわり:やわらかく、ふくらみのある優しい美しさ
- いろどり:色彩の美しさ、色の取り合わせ
- ゆかしさ:心惹かれる魅力、上品で慕わしい感じ
- おくゆかし:奥ゆかしく上品で、控えめながらも魅力がある
- たまゆら:ほんのひとときの美しい瞬間、かすかな時間
- しらべ:旋律、調和のとれた音の美しさ
- しとやか:落ち着きと品のある美しさ、物静かな魅力
- めでたし:すばらしくて賞賛に値する美しさ、喜ばしい
- けはひ:姿や雰囲気にあらわれる気品、見えない美
- をかしげ:美しくて趣がある様子、おもしろみを含む外見
- つきづきし:似つかわしい、美的に調和が取れていること
- いぶかし:意味深で奥行きがあるような美、興味深さ
【4】時間と余韻を伝える言葉
「いまはむかし」「たそがれ」「なごり」など、時の流れや余韻をしみじみと感じさせる言葉たち。過ぎ去るものの美しさ、儚さを大切にする日本人の心が見えてきます。
- いまはむかし:昔あるところに──物語の語り出しに使われる古風な表現
- しばし:少しの間、短い時間
- たそがれ:日が沈む時間、物寂しさや余韻を感じる夕暮れ時
- なごり:別れや過去への思いが残ること、去りがたさ
- つれづれ:何もすることがない中で生まれる物思いや感情の流れ
- あかつき:夜明け方、まだ薄暗さの残る静かな時間帯
- しののめ:東の空がほのかに明るくなる頃、夜明け前
- たまゆら:ほんの少しの時間、ごくわずかな間
- おもかげ:過去に見た人や風景の面影、記憶に残る姿
- ゆめ:夢、将来への希望や、睡眠中に見る幻
- うたかた:泡のように消えてしまうもの、儚さを象徴する存在
- たゆたう:水や空気の中をゆらゆらとただよう、時の流れのような動き
- おぼろげ:はっきりしない、記憶や姿がぼんやりしている様子
- いにしへ:古(いにしえ)、過去、遠い昔
- あさましく:思いがけない、信じがたいことに驚き嘆く(副詞的に使う)
- つくよ:月の夜、月明かりに照らされた静かな夜の時間
- ゆゑ:理由や由来、時を経て今に至る背景
- しずく:滴。水や涙のように一瞬にして落ちる、儚く美しい存在
- ふくよか:時間や空間にゆとりのある様、丸みを帯びていて落ち着いた印象
- まどろむ:目覚める直前や眠りの途中にある、短い夢の時間
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