🌸 美徳や人間の価値観を表す言葉
日本人が大切にしてきた道徳的な価値観や、理想とされる人間性を二字熟語で表現します。誠実さ、思いやり、勇気、謙虚さなど、人として美しいあり方を短い言葉に凝縮したものばかりです。心の持ちようや生き方の指針となるような、芯の通った語句が並びます。
- 誠実(せいじつ)
偽りがなく、真心をもって正直にふるまうこと。 - 仁愛(じんあい)
他人を思いやる優しい心。儒教で重んじられる徳。 - 忠義(ちゅうぎ)
主君や親に尽くす忠誠の心。武士道精神に通じる。 - 信望(しんぼう)
人から信頼され、慕われること。 - 謙遜(けんそん)
控えめな態度で自分を高ぶらせないこと。 - 慈愛(じあい)
深く優しい愛情。他者を包み込むような思いやり。 - 勇気(ゆうき)
困難に立ち向かう力。心の強さ。 - 誠意(せいい)
嘘や飾りのないまごころ。人と人との信頼の土台。 - 節操(せっそう)
自分の信念や道徳を守り通す心。 - 克己(こっき)
自分の欲望や弱さに打ち勝つこと。自己制御。 - 高潔(こうけつ)
気高く清らかな心。人としての品位を保つこと。 - 温和(おんわ)
おだやかで優しく、争わない性質。 - 寛容(かんよう)
他人の過ちや違いを受け入れる広い心。 - 忍耐(にんたい)
苦しい状況でも耐え抜く強さと辛抱。 - 率直(そっちょく)
飾らず、ありのままに正直であること。 - 端正(たんせい)
姿や心の様子が整って美しいこと。 - 温厚(おんこう)
性格が柔らかく、あたたかみのある人柄。 - 明朗(めいろう)
明るく朗らか。人を和ませる性格。 - 真摯(しんし)
まじめで誠実な態度を貫くこと。 - 節度(せつど)
行動や言動において度をわきまえること。 - 廉直(れんちょく)
私利私欲に走らず、まっすぐな心を持つこと。 - 堅実(けんじつ)
浮つかず、確かな考えと行動に基づく性格。 - 慎重(しんちょう)
軽々しく行動せず、よく考えてから動くこと。 - 仁徳(じんとく)
人を思いやる徳。理想的な君主像にも用いられる。 - 忠誠(ちゅうせい)
誠をもって尽くすこと。変わらぬ忠義。 - 礼節(れいせつ)
礼儀と節度を守ること。人間関係の基本。 - 公明(こうめい)
公平で、正義にかなった態度をとること。 - 正直(しょうじき)
嘘をつかず、誠をもって行動する心。 - 堅忍(けんにん)
強く我慢する心。精神的な強靭さ。 - 篤実(とくじつ)
誠実で、信頼できる人柄。
🎨 芸術・風流・美意識に関する言葉
このカテゴリでは、日本古来の「美」を感じさせる芸術的な語や、風雅・幽玄といった感性そのものを表す熟語を集めます。雅楽、書道、茶道、俳諧などに通じる世界観が息づく語で、日本独特の美的価値観を知る手がかりにもなる言葉たちです。
- 幽玄(ゆうげん)
奥深く、はかり知れない美。能楽などにおける理想美。 - 風雅(ふうが)
上品で風流な趣。詩や書、茶などに通じる美意識。 - 綺羅(きら)
美しい装い・きらびやかな光景。華やかさの象徴。 - 絢爛(けんらん)
華やかで、色鮮やかに輝く様子。 - 雅趣(がしゅ)
風雅な趣。品のある美しさ。 - 風韻(ふういん)
洗練された品格。音や雰囲気に漂う雅さ。 - 古雅(こが)
古風でありながら、気品のある美しさ。 - 典雅(てんが)
上品で洗練された雰囲気。文芸や芸術に多用される。 - 高雅(こうが)
気高く、上品な美しさ。 - 幽趣(ゆうしゅ)
奥ゆかしく静かな趣。静寂に宿る美。 - 閑雅(かんが)
静かで落ち着いた中にある風情。 - 風趣(ふうしゅ)
自然や芸に感じられる風流な味わい。 - 沈静(ちんせい)
心が落ち着き、静けさが満ちること。 - 清雅(せいが)
清らかで気品のある美しさ。 - 妙趣(みょうしゅ)
何とも言えない美しさや趣。味わい深さ。 - 風流(ふうりゅう)
自然を愛し、四季を楽しむ心。美的な暮らし。 - 幽美(ゆうび)
奥深く、目立たないが美しいもの。 - 趣向(しゅこう)
芸や道具に工夫をこらし、趣をもたせること。 - 洗練(せんれん)
無駄をそぎ落とし、磨き上げられた美。 - 雅致(がち)
気品と趣を兼ね備えた美しさ。 - 閑寂(かんじゃく)
静かでさびれた中にある落ち着いた美。 - 風采(ふうさい)
外見やたたずまいに表れる品格と趣。 - 詩情(しじょう)
詩のような情緒。心に残る情感。 - 雅楽(ががく)
古代から伝わる宮廷音楽。典雅な響きの代表。 - 花道(かどう)
華道とも。生け花の道。自然と美の調和。 - 書芸(しょげい)
書道における芸術的な要素。美的筆致。 - 画趣(がしゅ)
絵画に漂う趣や味わい。構図の美。 - 茶趣(さしゅ)
茶道における趣き。器や場の空気感も含めた美。 - 香風(こうふう)
よい香りを伴って吹く風。香りと風という、美しさと自然の調和を感じさせる言葉。 - 余韻(よいん)
音や響きがやんだ後も、なお心に残る感じ。感情や美しさの残像。
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