4. 自然・天候・気象の神（風・火・雷・海・嵐）
風や火、海、雷など自然の力を象徴する神々です。属性ごとの個性がはっきりと表れた名称が多く使われます。
- Boreas（ボレアース） — 北風を司る神。冷たく荒々しい風をもたらし、冬の象徴とされた。
- Notus（ノートス） — 南風の神で、嵐・豪雨・晩夏の湿気を運ぶ存在として恐れられた。
- Eurus（エウロス） — 東風を司る神。予測不能な気象変化と嵐の兆しを象徴する。
- Zephyrus（ゼピュロス） — 西風の神で、優しい春風をもたらす自然の精霊的存在。
- Helios（ヘリオス） — 太陽を司る神。毎日天空を馬車で巡り、世界を照らす光そのもの。
- Selene（セレネー） — 月の女神。静謐な夜の光と神秘を具現化した美しい存在。
- Eos（エオース） — 暁と日の出を象徴する女神。夜から朝への移ろいを導く存在。
- Iris（イーリス） — 虹の女神で、神々の使者。光と水の交わりによる彩の象徴。
- Hephaestus（ヘーパイストス） — 火山・炎・鍛冶場の灼熱を支配する火の神格面。
- Thalassa（タラッサ） — 海の擬人化である原初の海の女神。波・潮流など海の性質を象徴する。
5. 冥界・死・影の神々（暗黒・夜・影の領域）
冥界や影の深みに関わる神々です。静かで奥行きのある響きを持つ名称がよく知られています。
- Hades（ハーデース） — 冥界の支配者で死者の王。静寂と秩序の下で死者の魂を統治する。
- Persephone（ペルセポネー） — 冥界の女王で季節変化の鍵を握る存在。生と死の循環を象徴する。
- Thanatos（タナトス） — “死そのもの”を人格化した神。安らかな死をもたらす静かなる存在。
- Hypnos（ヒュプノス） — 眠りの神で、死と隣り合う静寂の力を持つ。Thanatosの双子として象徴的。
- Charon（カロン） — 冥界の渡し守。死者の魂をステュクス川の向こうへ運ぶ存在。
- Morpheus（モルペウス） — 夢の神で、幻想・幻影の世界を創り出す。眠りの領域の創造者。
- Hecate（ヘカテ） — 闇・魔術・十字路の女神。冥界とも深く結びつき、霊的境界を司る。
- Melinoe（メリノエー） — 幽霊・幻影の女神。冥界と現世の狭間に現れ、死者の気配を伝える存在。
- Nemesis（ネメシス） — 正義の復讐を司る女神。傲慢や不正を裁き、運命の均衡を回復する。
- Erinyes（エリニュス） — 復讐の三女神。罪を犯した者を追い詰め、報いを与える恐るべき存在。
6. 美・愛・芸術・調和の神（美的・優雅・幻想的）
美や愛、芸術にまつわる神々です。優雅で柔らかな音を持つ名称が中心です。
- Eros（エロス／若年形） — 愛と欲望を司る神。古代では原初神と区別され、アフロディーテーの従者として描かれる。
- Pothos（ポトス） — 憧憬・恋慕の神。叶わぬ想いや切なさの情感を象徴する。
- Himeros（ヒメロス） — 情熱的欲望を具現化した神。Erosと共に愛の力を担う存在。
- The Charites（カリテス） — 美・優雅・調和を司る三女神。アグライア、エウプロシュネ、タレイアの総称。
- Harmonia（ハルモニア） — 調和・結びつきの女神。人間関係や社会秩序を整える象徴。
- Hebe（ヘーベー） — 若さの女神で永遠の青春を象徴する存在。神々に不老の酒を注ぐ役割を持つ。
- Peitho（ペイトー） — 説得・魅了・誘惑の女神。言葉の力による調和と支配を象徴する。
- Polyhymnia（ポリュムニア） — 詩歌・神聖な賛歌を司るムーサ。深い精神世界と静謐を象徴。
- Calliope（カリオペー） — 叙事詩の女神で、ムーサの中でも最高位。雄弁と物語の力を司る。
- Terpsichore（テルプシコラー） — 踊りと合唱の女神。芸術的活力と躍動感の象徴。
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