日本の有名な妖怪一覧 100選|神話・伝説・民話に登場する怪異たち
日本
3 人型・変化の妖怪
- 女郎蜘蛛(じょろうぐも)
「絡新婦」とも書かれる蜘蛛の妖怪。美しい女に化けて男を誘い、糸で絡め取って岩場や滝つぼへ引きずり込むとされる。鳥山石燕『画図百鬼夜行』などに描かれ、各地の滝や谷に伝承が残る。
- 飛縁魔(ひのえんま)
江戸時代の奇談集『絵本百物語』に登場する女の妖怪で、「飛ぶ縁(因縁)に魔障をもたらすもの」とされる。男女の情欲や不義の縁に取り憑いて災いを招く存在として、女色への戒めとして語られた。
- 髪切り(かみきり)
江戸時代の市中で噂された、背後から人の髪を音もなく切り落とす妖怪。男女を問わず、道を歩いていると突然髷や結った髪を根元から切られ、切られた髪が道に落ちていたという記録が残る。
- 二口女(ふたくちおんな)
後頭部にもう一つの口を持つ女性の妖怪。表の口はほとんど食べないが、後頭部の口が常に空腹を訴え、多くの食べ物を要求する。『絵本百物語』などに載り、虐げられた子の怨みや欲深さの報いを象徴する怪談としても語られる。
- 人面犬(じんめんけん)
人の顔を持ち、言葉を話すとされる犬の都市伝説。1980年代に子どもの間で広まり、高速道路を猛スピードで並走したり、ゴミ捨て場で人間に話しかけてくるなどの怪談で知られる。もとになった「人の顔をした犬」の怪異は、江戸時代の記録にも見られる。
- 手長足長(てながあしなが)
異様に長い腕を持つ「手長」と、非常に長い脚を持つ「足長」から成る巨人の怪物。海や山で旅人や船を襲うとされ、手を伸ばせば山頂に届き、足ひと跨ぎで島に達するといった伝説が各地に残る。
- 目目連(もくもくれん)
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』に描かれた妖怪で、古く傷んだ障子や襖一面に無数の目が現れるもの。使い古されても捨てられない道具への怨念や、「誰かに見られている」恐怖の象徴と解釈される。
- 見越し入道(みこしにゅうどう)
始めは小坊主ほどの背丈だが、見上げれば見上げるほど背が伸び、巨人のようになる入道姿の妖怪。出会ったときは慌てて見上げず、「見越したぞ」などと声をかけてから頭から足へ視線を下ろすと害を免れると伝えられる。
- 小豆婆(あずきばばあ)
小豆をとぐ音を立てる老婆の姿をした妖怪。主に関東地方に伝わり、小川や薄暗い場所で「ショキショキ」と小豆を洗う音を立て、人を化かしたり食べたりするとされる。小豆洗いの正体が老婆の姿をとったものとする説もある。
- 夜道怪(やどうかい)
埼玉県などの伝承に見られる子取りの妖怪で、子どもが行方不明になると「夜道怪に連れて行かれた」と言われた。宿を頼んで各地を巡る高野聖の姿を借りた者が正体とされる説もあり、「宿かい」「ヤドウケ」とも呼ばれる。
4 山・森・自然の妖怪
- 山姥(やまうば)
深い山に棲む老女の妖怪。道に迷った旅人を家に泊め、優しい女に見せかけて食い殺すとされる一方、金太郎の育ての親とする伝承もある。姥捨て伝説や「山の魔女」像と結びつけて語られてきた。
- 山男(やまおとこ)
日本各地の山中に伝わる大男の妖怪。大柄な人型で猟師や木こりの前に現れ、力比べをしたり恵みを与えたりする話がある。山人・大人などとも呼ばれ、山の精霊的な存在として描かれる。
- 木霊(こだま)
樹木に宿る精霊、またはその宿った木そのものを指す。古くは山の神の一種とされ、山での反響音(こだま・やまびこ)は木霊が応えた声だと考えられてきた。
- 川姫(かわひめ)
高知・福岡・大分などに伝わる川の女妖怪。水辺に現れる美しい女の姿で、川の屋敷に人を誘い込み、忠告したり、ときに命を奪うとされる。和歌山県富田川の与平伝説などが有名。
- 山彦(やまびこ)
山で声が反響して返ってくる現象を「山彦」という妖怪の仕業と考えたもの。山の神やその眷属とされ、叫び声を真似て返す精霊であり、木霊と同一視されることも多い。
- 樹木子(じゅぼっこ)
多くの戦死者が出た戦場跡に生えるとされる木の妖怪。見た目は普通の樹木だが、人や動物の血を吸って生きているとされ、枝を切ると血が流れ出すという。水木しげるの著作などで知られる近代以降の妖怪像。
- 山童(やまわろ)
九州を中心に伝わる山に棲む妖怪で、全身が毛むくじゃらの子どものような姿をしている。河童が山に入った姿とも言われ、山仕事を手伝ったり妨害したりするいたずら好きの存在として語られる。
- 山精(さんせい)
中国河北省や日本の岩手県に伝わる山の妖怪で、「山鬼」とも呼ばれる。鳥山石燕『今昔画図続百鬼』にも描かれ、山中に棲む人ならざる者として和漢の怪異が習合した存在とされる。
- 山神(やまがみ/山の神)
山そのものを司る神格で、山の恵みと恐ろしさを併せ持つと信じられてきた。マタギや木こりは入山前に山の神に祈りを捧げ、女神として語られる伝承も多い。妖怪というより神としての性格が強い山の霊的存在。
5 水・川・海の妖怪
- 海女房(あまにょうぼう/うみにょうぼう)
島根県出雲地方に伝わる海辺の妖怪。磯女に類する存在とされ、海辺に現れる女の姿で漁師たちを脅かす怪異として語られている。
- 磯女(いそおんな)
九州各地の沿岸に伝わる女の妖怪で、その名の通り磯(岩場の海岸)に現れる。水辺で人間に近づき、海中へ引きずり込むとされる恐ろしい存在。
- 泥田坊(どろたぼう)
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』に描かれた、泥の田から上半身だけを現す妖怪。一つ目で三本指の姿をしており、子孫に荒らされた田への怨念から「田を返せ」と夜な夜な叫ぶとされる。
- 濡髪女(ぬれがみおんな/濡女・ぬれおんな)
水辺に現れる女妖怪「濡女」と同一視されることが多く、女性の顔と髪に蛇のような下半身を持つ半人半蛇の姿とされる。常に黒髪が濡れており、海や川で人を惑わせて喰らう怪異として伝えられている。
- 水虎(すいこ)
中国の伝承に由来する水の妖怪で、川に棲む子どもほどの大きさの怪物。虎に似た要素を持つとされ、鱗に覆われた体と鋭い爪で人を水中に引きずり込むと語られ、日本では河童に似た水の精霊的存在として描かれる。
- 竜宮の乙姫(りゅうぐうのおとひめ)
昔話『浦島太郎』に登場する竜宮城の姫で、古事記・日本書紀に登場する女神・豊玉姫がモデルとされる。海神の娘として竜宮に住み、縁結びや安産の神として信仰されることもある。
- 龍(りゅう)
古代中国発祥の想像上の霊獣が日本に伝わったもの。日本では水神・竜神として雨や川・海を司る存在とされ、豊穣や航海安全を祈る信仰の対象となってきた。
- 鰐神(わにがみ)
古事記や日本書紀に登場する海の怪物「和邇(わに)」と結びつけられる海の霊的存在。和邇は神々の渡海を助ける海の怪物で、ワニやサメなどと解釈が分かれるが、海の神の化身として語られることもある。
- 海入道(うみにゅうどう)
海に現れる妖怪・海坊主の別名。「海坊主」「海法師」とも呼ばれ、夜の海面から巨大な坊主頭の影が立ち現れ船を襲うとされる。海が急に盛り上がる不気味な現象を説明する怪異として各地で語られてきた。
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