どこか怪しく、意味を知らなくても強く印象に残る言葉があります。
闇や禁忌、冥界や異界を思わせる語には、怖さだけではない、不思議な引力や静かな緊張感が宿っています。
ここでは、そうしたオカルト的な響きを持つ言葉を取り上げます。
宗教や民俗、歴史、現代の怪談まで、さまざまな場面で語られてきた言葉に触れていくと、人がなぜ「見えないもの」に心を惹かれてきたのかが、少しずつ感じ取れるはずです。
気になる響きから、ゆっくり読み進めてみてください。
オカルトっぽいかっこいい言葉 一覧
1. 闇・禁忌を感じさせる言葉
人が近づくことを避けてきた領域や、表に出ない決まりごとを連想させる言葉です。重さや緊張感のある響きが多く、言葉そのものに「触れてはいけない雰囲気」を感じさせます。
- アブラカダブラ(Abracadabra)
古くから呪文として使われてきた言葉。護符などにも刻まれた歴史的な呪文語。 - ゴエティア(Goetia)
西洋魔術で悪霊や精霊とされる存在を呼び出す術法の名称。 - シジル(Sigil)
魔術で用いられる象徴的な印や記号。古い魔術書に記載されることがある。 - マレフィキウム(Maleficium)
魔術行為や呪いを指すラテン語由来の術語、害をなす魔術全般。 - スペル(Spell)
呪文、または魔術的な言葉や詩の総称。古来から各地に存在。 - ソーサリー(Sorcery)
精霊や力を操る魔術的行為全般を指す言葉。 - サタニズム(Satanism)
サタン(悪魔)を崇拝・象徴とする信仰体系の名称。
2. 冥界・死後世界にまつわる言葉
死後の世界や、生と死の境目を思わせる言葉が中心です。怖さだけでなく、静けさや厳かさを含む表現が多く、落ち着いたオカルト感を持っています。
- リインカーネーション(Reincarnation)
魂が死後に別の肉体へ転生するとする概念。 - アストラル・プロジェクション(Astral projection)
体から魂が抜け、別次元(アストラル界)へ出るという体験・概念。 - テレパシー(Telepathy)
言葉を介さず心同士で通じ合う能力として語られる現象。 - ゴースト(Ghost)
死者の霊的存在として広く使われる用語。 - シーア(Seer)
未来や死後の世界を見通すとされる予言者・霊能者の称。 - スピリティズム(Spiritism)
霊と交信することを信じる教義・運動の名称。
3. 異界・境界を連想させる言葉
現実とは少し違う場所や、こちら側と向こう側の境目を想像させる言葉です。はっきり説明できない不思議さがあり、日常から外れた感覚を与えます。
- 異界(いかい)
人間の世界とは異なる領域を指す言葉。民俗学や宗教の文脈で使われる。 - 境界(きょうかい)
こちら側と向こう側を分ける線や領域。現実と非現実の区切りとして語られることも多い。 - 幽世(かくりよ)
神や霊が存在するとされる世界。日本の民俗・神道で使われる言葉。 - 常世(とこよ)
永遠に変わらない世界を意味する古語。死後の国として語られる場合もある。 - 現世(うつしよ)
人が生きている現在の世界。幽世や冥界と対になる概念。 - 境目(さかいめ)
二つの世界や状態が切り替わる地点。民話や怪談で重要な意味を持つ。 - 裂け目(さけめ)
空間や世界が割れたように表現される箇所。比喩的に異界への入口として使われることがある。
4. 霊・怪異の気配を感じる言葉
姿は見えないものの、存在を感じてしまうような印象を持つ言葉です。直接的な恐怖というより、なんとなく落ち着かない空気を伝える表現が多く含まれます。
- 怪異(かいい)
理屈では説明できない不思議な出来事や存在を指す言葉。 - 妖気(ようき)
妖や怪しい存在から発せられるとされる不穏な気配。 - 霊気(れいき)
霊的な存在や場所に宿ると考えられてきた気配や力。 - 気配(けはい)
姿は見えなくても存在を感じ取ってしまう感覚。怪談で頻出する表現。 - 物の怪(もののけ)
人に災いをもたらす霊的存在の総称。古典文学にも登場する。 - 怨霊(おんりょう)
強い恨みを残したまま現れるとされる霊。日本の歴史や信仰と結びつく。 - 浮遊霊(ふゆうれい)
成仏できず現世をさまようとされる霊的存在。 - 怪気(かいき)
不穏で説明のつかない空気や雰囲気を表す言葉。文語的表現。
5. 呪い・呪術に関係する言葉
言葉や行為に特別な力が宿ると考えられてきた背景を持つ言葉です。昔話や伝承、オカルトの文脈で使われることが多く、強い印象を残します。
- 呪詛(じゅそ)
相手に災いが及ぶよう念じること。古くから文献に見られる表現。 - 呪縛(じゅばく)
呪いや力によって自由を奪われること。精神的な束縛も含む言葉。 - 呪法(じゅほう)
呪いをかけるための方法や作法。仏教・民間信仰で用いられてきた。 - 呪力(じゅりょく)
呪いに宿ると考えられる力。物語だけでなく信仰用語としても存在する。 - 呪符(じゅふ)
呪いや祈りを込めて用いられる札や紙。護符とは用途が異なる。 - 詛術(そじゅつ)
他者に害を与える目的で行われる呪術。古典的な呪いの表現。 - 陰呪(いんじゅ)
人目につかない形で行われる呪い。文献上で確認される表現。 - 憑依(ひょうい)
霊や存在が人や物に取りつくこと。心霊や宗教の分野で使われる。

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