政治における色(Political Colours)は、政治的なイデオロギー、運動、あるいは政党を象徴するために使われる色のことです。これらは色彩による政治的シンボル表現の一種です。 政治家たちは、自らが所属する政党の色のシャツ、リボン、帽子、ネクタイなどを身につけることが多く、着用している色を見るだけで、その人がどの政党を代表しているのかが分かるようになっています。
政治における色とその一般的な意味|国別の特徴付きまとめ
※国によって色の意味は異なる場合もありますが、いくつか共通する傾向が見られます。
出典:Simple English Wikipedia, the free encyclopedia:Political colour
ブラック(黒)
主なイデオロギー: 無政府主義、黒人ナショナリズム、キリスト教民主主義、ファシズム、ジハード主義
ポイント:
- 黒は「色がない」象徴として無政府主義で使われます。
- ファシズム(イタリアの黒シャツ隊、ドイツのSSなど)やジハード主義でも使用。
- 世界中のパイレーツ党も黒を採用。
- ドイツ・オーストリア: キリスト教民主主義(CDUやÖVP)は伝統的に黒をシンボルカラーにしていました(現在はターコイズ色に移行)。
ブルー(青)
主なイデオロギー: 保守主義、自由主義
ポイント:
- 世界的に中道右派やリベラル保守政党で使われます。
- イギリス: 保守党(トーリー党)が青を使用。
- 日本・韓国: 中道または中道左派政党にも青が用いられることがあります。
- アメリカ: 民主党(中道左派)が青をシンボルにしています(世界的には珍しいパターン)。
ブラウン(茶色)
主なイデオロギー: ナチズム
ポイント:
- ドイツ: ナチ党が茶色(突撃隊の制服)を使用していました。
バフ(黄褐色)
主なイデオロギー: 自由主義
ポイント:
- イギリス: 歴史上のホイッグ党が使用していました。
グレー(灰色)
主なイデオロギー: 無所属(インディペンデント)
ポイント:
- 政党に所属しない政治家を象徴する色です。
グリーン(緑)
主なイデオロギー: 農本主義、環境主義、グリーン政治、アイルランド民族主義、イスラム民主主義
ポイント:
- ダークグリーンは農業政党(ヨーロッパ、オーストラリア)などで使用。
- ライトグリーンは世界中の環境政党で使われます。
- イスラム圏: 緑はイスラム教の聖なる色。
- アイルランド: アイルランド共和国や民族主義を象徴。
- 日本: 自由民主党(LDP)も緑を使用。
オレンジ
主なイデオロギー: 中道、キリスト教民主主義、ポピュリズム
ポイント:
- ヨーロッパ: 多くのキリスト教民主政党がオレンジを使用。
- ハンガリー: フィデス(右派ポピュリスト)がオレンジを使用。
- オーストラリア: ワンネイション党、センターアライアンスがオレンジを採用。
- カナダ: 新民主党(NDP、中道左派)がオレンジ。
- インド: インド人民党(BJP、保守)がオレンジ。
- ニュージーランド: 選挙委員会の公式色がオレンジなので、政党は使用を避けています。
ピンク
主なイデオロギー: フェミニズム、社会民主主義
ポイント:
- 女性運動やLGBTの権利運動を象徴。
- ポルトガル: 社会党が公式には赤ですが、実際にはピンクや紫が連想されることもあります。
パープル(紫)
主なイデオロギー: 君主制(歴史的)
ポイント:
- 伝統的に王政や皇帝を象徴する色。
- オーストラリア: 選挙委員会(AEC)の公式色。政党による使用は推奨されていません。
レッド(赤)
主なイデオロギー: 共産主義、労働主義、社会民主主義、社会主義
ポイント:
- 社会主義、共産主義、労働運動を象徴。
- フランス: フランス革命以来、赤は労働者運動の色。
- アメリカ: 共和党(右派)が赤を使用(世界的には例外的な使い方)。
- 韓国: 保守系の国民の力党も赤を使用。
ティール(青緑)
主なイデオロギー: 保守主義、環境主義、自由主義
ポイント:
- オーストリア: ÖVPが黒からティールへ変更。
- オーストラリア: 経済的にはリベラル、環境には進歩的な「ティール独立系」が誕生(リベラルの青と環境の緑を混ぜた色)。
イエロー・ゴールド(黄色・金色)
主なイデオロギー: 古典的自由主義、リバタリアニズム
ポイント:
- イギリス: 自由民主党、スコットランド国民党(SNP)が黄色系を使用。
- オーストラリア: ユナイテッド・オーストラリア党(UAP)、リバタリアン党などが使用。
- カナダ: 黄色は政治的に中立で、選挙管理機関(Elections Canada)が使用。
まとめ 政治における色は、単なるデザイン要素ではなく、イデオロギーや歴史、文化を象徴する大切なサインです。国や地域によって意味は異なりますが、色を通じて政治的立場や価値観が直感的に伝わるのは興味深い点です。日常で目にする政治的な色使いにも、ぜひ注目してみてください。
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