インド・南アジアの精霊(神霊の下位に属する“自然の妖精”)
インド神話・仏教・ジャイナ教には、神々と人間のあいだを埋めるような 自然霊・天界の楽師・舞姫 が多数登場します。ここでは、その中でも 「妖精ポジション」で使いやすい存在だけを厳選しています。
- Yakshini(ヤクシニー)
領域:豊穣・森・樹木
イメージ:インド全域で信仰されてきた女性の自然精霊。樹木や大地の実りと結びつき、 木に寄りかかる姿で彫像化されることが多い“南アジアのニンフ”のような存在。:contentReference[oaicite:0]{index=0} - Yaksha(ヤクシャ)
領域:森林・宝物・泉・大地
イメージ:水・樹木・宝物と結びついた自然霊の一族。多くは森や財宝を守る守護霊として描かれ、 山門や寺院の守り神としても登場する“男性型の土地神・妖精族ガーディアン”。:contentReference[oaicite:1]{index=1} - Apsara(アプサラス)
領域:空・水・雲・踊り
イメージ:雲と水に由来する天界の舞姫。のちに“水のニンフ”や“妖精”に相当する存在として描かれ、 美しい舞と音楽で神々をもてなす。インド〜東南アジア美術で非常に人気の高いモチーフ。:contentReference[oaicite:2]{index=2} - Gandharva(ガンダルヴァ)
領域:音楽・香り・空気
イメージ:インドラ宮廷に仕える天界の楽師たち。音楽と歌に宿る精霊的存在で、 花や樹木の香りと結びつく“音と香りの妖精楽団”として創作に応用しやすい。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
東南アジア(タイ・カンボジア・ミャンマー周辺)の精霊
東南アジアには 木に宿る女性霊・場所を見守る守護霊 など、 自然と人の暮らしの境界に立つ“小さな精霊”のイメージが豊富にあります。 ここでは、その中でも比較的善良で「妖精ポジション」に近い存在を挙げています。
- Nang Tani(ナーン・タニー)
地域:タイ(ラオス・カンボジア周辺にも類似伝承)
領域:バナナの木(クルアイ・タニー)
イメージ:野生のバナナの木に宿る若い女性の霊。木のそばに立つ美しい女として現れ、 木を粗末に扱う者には祟る一方、僧に食べ物を与えるなど優しい面ももつ“木の妖精・樹霊”。:contentReference[oaicite:4]{index=4} - Phi Fa(ピー・ファー / Phi Faa)
地域:タイ東北部(イサーン)・ラオス
領域:天空・治癒・歌
イメージ:病を癒やす儀礼で呼び出される天空の霊。笛や歌とともに招かれ、 人々の魂を励ます“空と歌に宿る精霊”として描ける。:contentReference[oaicite:5]{index=5} - Penunggu(プヌング)
地域:マレーシア・インドネシア
領域:森・泉・家・土地
イメージ:特定の場所や木、泉を見守る守護精霊の総称。集落や森の“見張り番”として恐れ敬われ、 木霊や土地神に近いポジションで扱えるローカル・ガーディアンスピリット。:contentReference[oaicite:6]{index=6}
アフリカの小妖精(小精霊)

西アフリカの小妖精・森の精霊
- Aziza(アジザ)
地域:ベナン周辺(旧ダホメー)
領域:森・知恵・魔法
イメージ:密林に棲む小さな羽つき精霊。人間に火や狩猟、魔術の知恵を授けたとされる“アフリカ版フェアリー”。:contentReference[oaicite:0]{index=0} - Adze(アッジ/アッズェ)
地域:トーゴ・ガーナ(エウェ族)
領域:森・夜・病
イメージ:蛍や小さな昆虫の姿で飛ぶ精霊。人に取りつくと吸血鬼のような怪異になるが、昆虫形態は“闇夜を舞う妖精”のようなイメージで創作しやすい。:contentReference[oaicite:1]{index=1} - Abiku(アビク)
地域:ナイジェリア(ヨルバ族)
領域:子どもの霊・転生
イメージ:何度も生まれては早く死んでしまう「輪廻する子どもの霊」。森や木に集う小さな霊たちとして語られ、精霊・妖精のモチーフに使われる。:contentReference[oaicite:2]{index=2} - Mmoatia(ンモアティア)
地域:ガーナ(アシャンティ族)
領域:森・秘密・魔法
イメージ:かかとが後ろ向きの小人の森の精霊。薬草や秘術に通じ、森の奥へ人を誘い込むトリックスター的な存在。:contentReference[oaicite:3]{index=3} - Asanbosam / Sasabonsam(アサンボサム/ササボンサム)
地域:ガーナ(アシャンティ族)
領域:森・樹木・夜
イメージ:木の枝にぶら下がる怪異で、鉄の歯と鉤爪を持つ吸血精霊。元来は恐ろしい森の怪物だが、ダークフェアリー的な“森の番人”として再解釈されることもある。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
中央アフリカの森の小精霊
- Eloko(エロコ)
地域:コンゴ民主共和国(モンゴ族)
領域:森・密林・宝物
イメージ:密林の奥に棲む小柄な森の霊。鈴を鳴らして人を呼び寄せ、宝物や森を守る一方で、人に危害を加えることもある“危険な森の妖精”。:contentReference[oaicite:5]{index=5}
南部アフリカの小妖精・雷鳥の精
- Tokoloshe(トコロシェ)
地域:南アフリカ(ズールー文化圏)
領域:家・川・夜
イメージ:家のまわりや水辺に現れる小人の精霊。いたずら好きで、ときに人に害をなす存在として恐れられるが、“闇の家庭妖精”のようなキャラクターに発展させやすい。:contentReference[oaicite:6]{index=6} - Impundulu(インプンドゥル/雷鳥の精)
地域:南アフリカ(ポンド族など)
領域:雷・嵐・血
イメージ:雷と嵐を呼ぶ鳥の精霊。魔女や呪術師の“使い魔”として仕え、稲妻とともに現れる。巨大な雷鳥だが、創作では“小型の雷妖精”としてアレンジされることも多い。:contentReference[oaicite:7]{index=7}
アメリカ大陸の精霊(小妖精)

- Yunwi Tsunsdi(ユンウィ・ツンスディ) – チェロキー族に伝わる小さな森の民で、山や森に住み、人間に薬草や魔法の知恵を授ける優しい“森の妖精”。
- Mannegishi(マンネギシ) – クリー族などに伝わる六本指で頭の大きな小人の精霊で、川や岩場で人を驚かせるいたずら好きな水辺の妖精。
- Pukwudgie(パクウジー) – ワンパノアグ族の伝承に登場する小人の森の精霊で、気まぐれなトリックスターとして人間を助けたり危険に導いたりする存在。
- Mikumwess / Mikumwesuk(ミクムウェス) – マリシート族の森に住む小さな幻術使いの精霊で、姿を消したり音もなく現れたりする“透明系の妖精”。
- Nimerigar(ニメリガー) – アメリカ西部のショショーニ族に伝わる小柄な戦士精霊で、山や峡谷に潜み弓を使う“山の小人”。
- Canotila(チャノティラ) – ラコタ族の伝承に出てくる「木の中の精」で、幹や枝の隙間から人間を見守る木霊のような小精霊。
- Paissa / Paisake(パイッサ) – アルゴンキン系伝承の一部で語られる小鳥の精霊で、風に乗って飛ぶ“小さな空の妖精”として解釈される存在。
- Alux / Aluxo’ob(アルシュ) – マヤに伝わる背丈1フィートほどの小人の精霊で、畑や森・洞窟を守りつつイタズラもする“マヤの土地神的妖精”。
- Chaneque(チャネーク) – メキシコのアステカ系伝承に登場する子どもの姿の自然霊で、森や泉の宝物を守り、旅人を惑わせるトリックスター妖精。
- Cocay(コカイ) – ユカタン地方に伝わる蛍の精霊で、暗闇の中で道を照らし迷った旅人を導く“光の妖精”。
- Cadejo Blanco(白カデホ) – 中米各地で語られる白い犬の守護霊で、夜道を歩く人のそばを歩き悪しきものから守る“精霊犬”。
- Tlaloque(トラロケ) – アステカの雨神トラロックに仕える複数の小精霊で、水瓶から雨を降らせる“雨の妖精たち”。
- Curupira(クルピラ) – ブラジルの森に棲む後ろ向きの足を持つ守護精で、動物や森を傷つける者を惑わせる“アマゾンの森の妖精守護者”。
- Encantado(エンカンタード) – アマゾン流域の伝承に登場するピンクイルカが人間に化けた精霊で、音楽や踊りで人を誘う水の妖精的変身霊。
- Iara / Yara(イアラ) – ブラジルの川に棲む人魚・水の精霊で、美しい歌声で人を魅了する“川の妖精・セイレーン”のような存在。
- Duende sudamericano(南米ドゥエンデ) – スペイン由来のドゥエンデが南米の民間伝承と融合した小妖精で、家や森を守ったり小さないたずらをしたりするラテン系ハウスフェアリー。

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