イランと聞いて、何を思い浮かべますか?サフランの香り?古代ペルシャの神殿?実は、イラン料理には1,000年を超える歴史と、広大な国土に根付く豊かな食文化がぎゅっと詰まっています。
この特集では、イランを代表する伝統料理から、地方に息づく知られざる郷土料理まで、全110品をカテゴリ別に紹介。
イラン料理一覧
🍚 米料理・ポロとチェロウの世界
香り高いサフラン、ふんわりと炊き上げた長粒米、そして繊細なハーブ使い──イランの米料理は芸術です。ポロ(混ぜご飯)とチェロウ(白米)は食卓の主役であり、それぞれの一皿に物語があります。
- チェロウ(Chelow)
基本の白米料理。サフラン風味で、肉や煮込み料理と組み合わせる定番の主食。 - ポロウ(Polow)
炊き込みご飯の総称。具材とハーブを混ぜて炊き上げた華やかなご飯。 - バガリ・ポロ(Baghali Polo)
そら豆とディル(ハーブ)を混ぜた香り豊かなポロウ。ラム肉と食べるのが伝統。 - アダス・ポロ(Adas Polo)
レンズ豆と米を炊き込んだポロウ。甘酸っぱい干しぶどうや炒めタマネギも添えられる。 - タチン(Tahchin)
サフラン入りの米にヨーグルトと卵を混ぜて焼いた、ケーキのようなご飯料理。 - ロボヤ・ポロ(Loobia Polo)
インゲン豆と肉をスパイスと炒め、米と層にして炊き込んだ香ばしいご飯。 - セブ・ポロ(Seb Polo)
リンゴを使った珍しい甘酸っぱいポロウ。地方色が強い一品。 - チェロウ・ザファラン(Chelow Zaffaran)
たっぷりのサフランで黄金色に仕上げたご飯。見た目も香りも豪華。 - シャリーヤン・ポロ(Shirin Polo)
ナッツやドライフルーツを散りばめた、特別な日に供される豪華な甘めのご飯。 - ディル・ポロ(Dill Polo)
ディル(イラン風の香草)をふんだんに使った爽やかなご飯。魚や鶏肉と好相性。
🔥 キャバーブと肉料理の饗宴
じゅうじゅうと炭火で焼かれる香ばしい肉、ジューシーでスパイス香るキャバーブたち。牛、羊、鶏──素材の旨味を最大限に引き出すイラン流の焼き技術にうっとりすること間違いなし!
- クビデ・キャバーブ(Kabab Koobideh)
刻んだラムや牛のひき肉に玉ねぎを混ぜ、鉄串で焼いた人気No.1の串焼き。 - ジュジェ・キャバーブ(Joojeh Kabab)
サフランとレモンでマリネした鶏肉の串焼き。ジューシーで爽やかな味わい。 - バーグ・キャバーブ(Kabab Barg)
薄切りの牛ヒレ肉をサフランでマリネし、柔らかく焼き上げた贅沢な一品。 - ソルタン・キャバーブ(Sultan Kabab)
バーグとクビデを同時に楽しめる贅沢セット。王様気分でどうぞ! - シーシュリク(Shishlik)
ラムのスペアリブを炭火で焼いたボリュームたっぷりのキャバーブ。特にマシュハドが名物。 - キャバーブ・デイジー(Kabab Deyzie)
キャバーブを煮込みスープと合わせた珍しい料理。地方によってはパンと一緒に食べる。 - キャバーブ・テンギ(Kabab Torsh)
ザクロペーストとくるみでマリネされた北部ギーラーン地方の酸味キャバーブ。 - ケバブ・モルグ(Kabab-e Morgh)
ヨーグルトとスパイスで柔らかくした鶏キャバーブ。ピクニックにも人気。 - カラ・パーチェ(Kaleh Pacheh)
羊の頭と足を煮込んだ濃厚なスープ料理。朝食に食べる人も! - キャバーブ・シール(Kabab Sheer)
ミルクに漬け込んだマイルドな風味のキャバーブ。バランスが絶妙。
🍲 煮込み料理(ホレシュ)の深い味わい
ペルシャのシチュー「ホレシュ」は、甘み・酸味・旨味が一つになった味の宝石箱。ザクロ、クルミ、ドライライムなど独特の素材が織りなす、濃厚で複雑な味わいを堪能してください。
- ホレシュ・フェセンジャン(Khoresh Fesenjan)
クルミとザクロペーストで作られる甘酸っぱい濃厚シチュー。鶏肉や鴨肉とよく合います。 - ホレシュ・ガルメ・サブジ(Ghormeh Sabzi)
パセリやフェヌグリークなどのハーブを煮込んだ王道の国民食。レモンのような「ドライライム」が香る深い味。 - ホレシュ・ゲイメ(Khoresh Gheymeh)
黄割れ豆とトマトの煮込みに、フライドポテトがトッピングされる特徴的な一皿。ラム肉入りが定番。 - ホレシュ・バーデムジュン(Khoresh Bademjan)
ナスとトマト、ラム肉で煮込んだシンプルながら美しい料理。しっとりとしたナスの旨味が光ります。 - ホレシュ・アールー(Khoresh Aloo)
プラムや杏を使った甘酸っぱい煮込み。地方によっては鶏肉や羊肉が使われることも。 - ホレシュ・セブ・ザミニ(Khoresh Sib Zamini)
ジャガイモと肉の家庭的なシチュー。素朴な味わいが心にしみる一皿。 - ホレシュ・キュールマ(Khoresh Korma)
クリーミーなヨーグルトベースの煮込みで、インドのカレーの祖先とも言われます。 - ホレシュ・ターケ(Khoresh Tareh)
北部地方のハーブ煮込み。ディルやニラなど香り高い葉野菜をふんだんに使用。 - ホレシュ・クドゥ(Khoresh Kadoo)
ズッキーニやカボチャとトマトをベースにした優しい甘さの煮込み。ベジタリアンにもおすすめ。 - ホレシュ・ナール(Khoresh Nar)
ザクロとクルミで仕立てた北部のごちそう。フェセンジャンに似ているが、さらに果実感が強め。
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