ギリシャ神話には、神々と戦う巨人、海を揺るがす怪物、旅人を惑わせる妖女など、物語を彩る数多くの“モンスター”が登場します。
本記事では、そうした ギリシャ神話の怪物を厳選し、種類・特徴・役割をわかりやすくまとめました。
スキュラやキマイラといった有名な怪物から、地域伝承にのみ残る特殊な存在まで、幅広い怪物をカテゴリ別に整理して紹介しています。
ギリシャ神話の世界観を深く理解したい人も、創作や世界設定のアイデアを求める人も、この一覧から新しい発見を得られるはずです。
ギリシャ神話の怪物一覧
神話の怪物には、物語や時代によってさまざまな解釈があります。本記事では、広く知られる特徴を中心にまとめていますが、別の伝承では違った姿で語られる場合もあります。
創作や学習でより深く知りたいときは、原典や補足資料もあわせて調べることで、世界観がさらに豊かになります。
出典・参考：Wikipedia – Monsters in Greek mythology
1. ギリシャ神話で最も有名な怪物｜核心となる代表的モンスター
- キマイラ（Chimera）
ライオン・山羊・蛇の三つの頭部と体を併せ持つ火炎を吐く怪物。災厄の象徴として恐れられ、ベレロポーンが撃破した。 - ケルベロス（Cerberus）
冥界の門を守る三つ頭の巨大犬。生者の侵入と死者の脱出を阻む存在で、ヘラクレスの十二功業で地上に連れ出された。 - ヒュドラ（Lernaean Hydra）
再生能力を持つ多頭の大蛇。首を切ると倍に増えるため討伐が困難だったが、ヘラクレスが焼き潰す方法で戦いに勝った。 - ミノタウロス（Minotaur）
牛の頭と人の体を持つ迷宮の怪物。ラビリンスに幽閉され、人間を喰らう存在として恐れられた。英雄テセウスがこれを討伐。 - スキュラ（Scylla）
かつてはニンフだったが呪いで多頭の怪物となり、航海する船の乗員を引きずり込む恐怖の海の怪物として知られる。 - スフィンクス（Sphinx / Androsphinx）
人の頭とライオンの体を持ち、謎かけに失敗した者を殺す存在。オイディプスが謎を解いたことで滅びた。 - ペガサス（Pegasus）
メドゥーサの血から生まれた白い翼を持つ神聖な馬。英雄ベレロポーンの相棒として知られ、神話世界の象徴的存在。 - グリフォン（Griffin）
ライオンの身体に鷲の頭部・翼を持つ守護獣。黄金を守る存在として語られ、古代から神聖視された複合獣。 - テュポーン（Typhon）
神々に反逆した“怪物の王”。巨大な蛇の脚を持つ暴風の化身で、ゼウスとの戦いは神話最大級の戦争として描かれた。 - ケートス（Cetus）
ポセイドンがアンドロメダを罰するために放った海の大怪物。ペルセウスがメドゥーサの頭で石化させた。 - サイレン（Sirens）
美しい歌声で船乗りを死へ誘う半鳥半女の怪物。航海者にとって最大級の誘惑と破滅の象徴とされた。 - アンフィスバエナ（Amphisbaena）
体の両端に頭を持つ双頭の蛇。メデューサの血から生まれたとされ、毒性と不気味さから“死の象徴”とされた。 - カトブレパス（Catoblepas）
重い頭と毒の吐息を特徴とする黒牛のような怪物。視線や息が死をもたらす存在として恐れられた。 - オルトロス（Orthrus）
二つ頭を持つ巨犬で、ゲリュオンの牧場を守護した番犬。ヘラクレスによって倒された。 - ピュートーン（Python）
デルポイの聖域を守護していた巨大蛇。アポロンに討たれ、のちにその地がアポロン神殿となった重要な怪物。
2. 英雄が討伐した怪物一覧｜戦いの物語で重要な存在
英雄の物語に登場し、倒されたことで神話の流れが大きく変わった怪物をまとめています。
- ネメアの獅子（Nemean Lion）
武器を通さない硬い皮膚を持つ巨大な獅子。ヘラクレスが素手で絞め殺し、その皮を剥いで装備とした。 - ゲリュオン（Geryon）
三つの身体を持つ巨大な戦士。ヘラクレスの「ゲリュオンの牛」奪取の際に弓で射られて倒れる。多腕・多脚の描写を持つ異形の存在。 - エリマントスの猪（Erymanthian Boar）
荒れ狂う巨大な猪で、ヘラクレスが生け捕りにしてミュケナイへ連行した。討伐と捕獲の象徴的モンスター。 - カルュドーンの猪（Calydonian Boar）
アルテミスが放った巨大猪。英雄メレアグロスやアタランテが参加した大狩猟で討ち取られ、神話でも重要な事件となる。 - アウゲイアースの巨牛（Cretan Bull）
ヘラクレスとテセウスがそれぞれ関わり討伐・捕獲したとされる暴れ牛。ラビリンスに関わる神話の中心存在。 - ラードーン（Ladon）
ヘスペリデスの黄金の林檎を守る蛇の怪物。ヘラクレスが林檎を得るために倒したとされる場合がある。 - メデアの竜（Medea’s Dragons）
メデアの戦車を引く飛竜。討伐というより、英雄が立ち向かう“克服すべき脅威”として語られる。 - スコロペンドラ（Skolopendra）
巨大な海の怪物。英雄ヘラクレスや他の英雄の伝承で討伐対象として言及される。 - マーレーのドラカイナ（Sybaris）
近くの村人を食い荒らした女竜。若者エウリュバロスが押し出して谷底へ落とし、退治したと伝えられる。
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