風という存在は、目には見えなくても、時に静かに、時に激しく、私たちの感覚や心に語りかけてきます。
その流れや力、優しさや脅威は、古来より多くの言葉や表現に姿を変えてきました。
ここでは、日本語と世界の言語に実在する、風にまつわる言葉を紹介します。
季節を感じさせる風の名前から、神話の中に生きる風の神々、そして詩や比喩の中に現れる象徴的な風まで――
それぞれの言葉が持つ意味や文化背景にも触れながら、風という存在の多彩さを見ていきましょう。
風にまつわるかっこいい言葉 一覧
ここで紹介している名前は、創作・文章表現のヒントとして気軽に楽しんでいただくことを目的としています。意味や由来には複数説があるため、興味があればご自身でも調べてみてください。背景を知るほど名前選びはもっと楽しくなります。
※正しい発音・意味等は辞書などでご確認ください。
1. 力と破壊を感じさせる風の言葉
暴風や突風、嵐など、自然の猛威を感じさせる風に関する語を、日本語と外国語から選びました。読みや意味も添えており、創作や描写にも活かしやすい構成です。
- 暴風(ぼうふう)
気象警報でも使われる、非常に強い風の総称。 - 猛烈な風(もうれつなかぜ)
最大風速が30m/s以上に達する、危険な強風。 - 非常に強い風(ひじょうにつよいかぜ)
最大風速20〜30m/s未満の強風を表す用語。 - 強風(きょうふう)
気象予報などでよく使われる、風の強い状態の総称。 - 突風(とっぷう)
短時間に急に吹く非常に強い風。竜巻・ダウンバーストも含む。 - 烈風(れっぷう)
激しく吹き荒れる風。 - 颶風(ぐふう)
古典的な漢語で非常に激しい風を意味する。現代では詩的表現として用いられる。 - 風塵(ふうじん)
風によって舞い上がる土や砂。戦場の風景にも用いられる語感。 - 嵐(あらし)
強風を伴った激しい天候。自然の荒々しさを象徴する語。 - 風害(ふうがい)
台風・強風などによって生じる災害。風の破壊力そのものを象徴する言葉。 - Gale(ゲイル|英語)
風速が34〜47ノットの強風を指す気象用語。 - Squall(スコール|英語)
急に吹く突風で、雨や雪を伴うこともある激しい気象現象。 - Storm(ストーム|英語)
風と雷・雨などを伴う荒れた天候全般。暴風雨を含む。 - Hurricane(ハリケーン|英語)
最大風速33m/s以上の大型熱帯低気圧(北大西洋地域)。 - Typhoon(タイフーン|英語)
西太平洋で発生する熱帯低気圧。日本の「台風」に相当。 - Cyclone(サイクロン|英語)
インド洋や南太平洋で発生する、強い熱帯性低気圧。 - Tempest(テンペスト|英語)
古風で詩的な語。激しい嵐や暴風を表す。 - Bora(ボーラ|イタリア語/スラヴ語圏)
アドリア海沿岸で冬に吹く冷たく乾いた暴風。 - Mistral(ミストラル|フランス語)
フランス南部ローヌ渓谷を吹き下ろす乾燥した強風。
2. 速さと鋭さをまとう風の言葉
瞬間的に吹き抜ける風、切れ味のある風、身をかわすような素早い動き――。ここでは、そんな「速さ」や「鋭さ」を感じさせる風に関する実在する言葉を紹介します。
- 疾風(しっぷう)
非常に素早く吹き抜ける風。スピード感ある比喩表現にも多用される。 - 迅風(じんぷう)
素早く速やかな風を表す古語的表現。詩的な印象が強い。 - 一陣の風(いちじんのかぜ)
一瞬にして駆け抜ける強く速い風の表現。 - 追風(おいて)
背中を押すように吹く風。速度を加速させる助けになる。 - 空風(からかぜ)
乾いた冷たい風で、すばやく吹き抜ける印象が強い。 - Blast(ブラスト|英語)
爆風のような激しい突風や爆発的な風の表現。 - Drift(ドリフト|英語)
漂うように滑る、しかし一定の方向に速く動く風の動き。 - Draft(ドラフト|英語)
空気の流れ・通気の風。建築や航空分野でも使われる。 - Jet stream(ジェットストリーム|英語)
上空を高速で流れる偏西風。飛行機のルートなどで重要。 - Buran(ブラン|ロシア語)
冷たく乾燥した高速の北風。中央アジアで観測される。 - Simoom(サムーム|アラビア語)
中東の砂漠地帯に吹く、速く乾いた灼熱の風。 - Zonda(ソンダ|スペイン語/アルゼンチン)
アンデス山脈を越えて吹き下ろす乾燥した強風。熱を帯びている。 - Khamsin(カムシーン|アラビア語)
北アフリカ〜中東に吹く季節風で、熱く速い砂嵐を伴う。 - Haboob(ハブーブ|アラビア語)
一気に視界を奪う速い砂嵐。特にスーダンやサヘル地帯で有名。

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