3. 儀式・秘儀・魔術体系|魔女が行う神秘の行為
魔女が執り行う儀式や秘儀、体系化された魔術概念に関する言葉です。 宗教儀礼・民間信仰・シャーマニズム的要素を含み、集団儀式や神への交信を示す語も含まれます。
- ritual(リチュアル)
儀式。定められた手順で行う宗教的・魔術的な実践を指す語で、語源はラテン語の ritualis(儀礼に関する)に由来。 - rite(ライト)
儀礼・祭儀。行為としての「儀式」の核を指す語で、ラテン語 ritus(正しい作法・宗教儀礼)に連なる。 - ritus(リトゥス)
ラテン語で「宗教儀礼・作法」。 “正しい手順” というニュアンスを含む。 - conjuration(コンジュレーション)
召喚・呪文の唱和。儀式的に言葉や音を唱えて効果をもたらす行為。 - incantation(インカンテーション)
呪文の唱和。声に出す言葉そのものが力になる、という発想に結びつく語。 - invocation(インヴォケーション)
招来・祈請。神・霊・超自然的存在を「呼びかけて迎える」行為。 - evocation(エヴォケーション)
喚起・召喚。霊・神格などを外部に呼び出す実践として説明されることが多い。 - theurgy(テウルギー)
神秘哲学でいう「神を招く儀礼的実践(divine magic)」。神的存在との合一などを目的にする系統として語られる。 - goetia(ゴエティア)
グリモワール(魔術書)伝統で語られる、霊の喚起を含む魔術実践の一系統(しばしば「低位の魔術」と対比される)。 - thaumaturgy(サウマタージー)
驚異・奇跡を起こす術、または実践的に変化を起こす魔術(theurgy と対比される説明もある)。 - necromancy(ネクロマンシー)
死者の霊を招き、幻視や啓示を通して知を得る(占い・予見を目的とする)実践として説明される語。 - divination(ディヴィネーション)
占術・予見。未来や隠された事柄を知るための方法全般を指す語(necromancy も divination の一形態として説明される)。 - grimoire(グリモワール)
魔術書。呪文・召喚・占い・道具の準備など、儀式手順をまとめた「実践の書」。 - magic circle(マジック・サークル)
結界円。儀式魔術で区画された空間を作り、聖域化や防護の目的で用いられる。 - consecration(コンセクレーション)
聖別。物や場所を「俗」から切り離し、祈りや儀礼によって聖なる用途へ捧げる行為。 - banishing(バニッシング)
祓い・退散の儀式。儀礼魔術で、霊的影響や望ましくないものを取り除くための一連の作法。 - Seiðr(セイズル)
古ノルド語で、北欧社会の呪術実践を指す語。予見や呪いなどと結びついて語られる。 - galdr(ガルドル)
古ノルド語圏で、詠唱・呪歌として説明される語(Seiðr の実践で呪文を唱える記述の中に現れる)。 - teletē(テレテー)
古代ギリシャ語圏で「入会儀礼・秘儀(initiation rite)」を表す語として扱われる。 - initiation(イニシエーション)
入会・通過儀礼。teletē が「入会儀礼」を意味する語として解説されるなど、“境界を越える儀式”の核になる概念。
4. 魔女の道具・象徴|力を宿す物とその呼び名
魔女が使うとされる道具や象徴的な物を表す言葉です。 杖、鍋、護符、薬草道具など、実際の民俗資料や伝承に基づいた名称が中心で、魔女文化の具体性を感じられます。
- athame(アサメ)
儀礼用の刃(黒い柄の儀式ナイフとして説明される)。主に儀式でエネルギーを方向づける道具。 - boline(ボーリン)
物を切る用途に使う別の刃として語られることがある道具名(athame と区別される文脈で言及される)。 - wand(ワンド)
儀礼で用いる杖。Wicca などで代表的な“魔術道具”として挙げられる。 - chalice / goblet(チャリス/ゴブレット)
儀礼の杯。Wicca の道具対応で「水」に結びつけられることが多い。 - pentacle(ペンタクル)
魔術の護符・円盤(召喚・喚起などの文脈で“図像を描いたタリスマン”として説明される)。 - cauldron(コールドロン)
大鍋。西洋文化では魔女術と結びつくイメージが強い、と説明される。 - besom(ビソム)
枝を束ねた伝統的な箒(broom)。語としては“箒の一種”の説明が確立している。 - censer(センサー)
香炉(incense burner)。香を焚くための器として古くから用いられる道具名。 - grimoire(グリモワール)
呪文・召喚・護符などの手順を載せる「魔術書」。 - Book of Shadows(ブック・オブ・シャドウズ)
Wicca に見られる、儀式や魔術実践のための記録書(宗教文書・実践手引きとして説明される)。 - sigil(シジル)
魔術で用いる象徴印。霊的存在の“署名(印章)”として説明される用法がある。 - talisman(タリスマン)
宗教的・魔術的力が付与された携帯物(守護・治癒・加害などの目的で作られると説明される)。 - amulet(アミュレット)
身を守るための護符(“災いから守るもの”として説明される)。 - witch bottle(ウィッチ・ボトル)
魔女術への対抗(厄除け)として用いられた護符的ボトル。英米の史料文脈で説明される。 - poppet(ポペット)
民間呪術で用いられる人形(対象者を表す“身代わり”として作られる、と説明される)。 - flying ointment(フライング・オイントメント)
欧州の伝承・魔女裁判の記録で、魔女の飛行と結びつけて語られた軟膏。 - Hexensalbe(ヘクセンザルベ)
ドイツ語で「魔女の軟膏/飛行の軟膏」を指す語として挙げられる。 - unguentum sabbati(ウングウェントゥム・サッバティ)
ラテン語で「サバトの軟膏」として挙げられる呼称(飛行の軟膏の異名)。 - altar(アルター)
祭壇。儀式空間の中心として道具を置く場で、魔術実践でも用語として広く用いられる。 - magic circle(マジック・サークル)
儀式で区切られる円環(“結界円”として語られる概念)。儀礼道具の使用と結びついて説明される。

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