美徳と精神性
調和や静けさ、徳を重んじる価値観を映す言葉を集めました。外に誇示する強さではなく、内側に宿る落ち着きや品格を表す語が中心です。
- 仁德|rén dé — レンドゥ
仁の徳。
他者を思いやる姿勢を示し、静かな信頼感を生む価値観を含む。 - 清心|qīng xīn — チンシン
澄んだ心。
雑念のない状態を表し、穏やかで透明な精神性が伝わる。 - 静修|jìng xiū — ジンシウ
静かに修める。
内面を磨く時間を指し、成長を外に見せない姿勢を感じさせる。 - 和顺|hé shùn — ホーシュン
和やかで従順。
争わず流れに沿う姿勢を示し、柔らかな強さを含む。 - 自省|zì xǐng — ズーシン
自らを省みる。
内側へ目を向ける行為を表し、成熟した精神性がにじむ。 - 忍耐|rěn nài — レンナイ
耐え忍ぶこと。
困難や苦しさを静かに受け止め、感情に振り回されない心の強さを示す。 - 淡泊|dàn bó — ダンボー
欲に執着しない。
物事を軽やかに手放す姿勢が、清潔な印象を残す。 - 正念|zhèng niàn — ジョンニエン
正しい意識。
今ここに意識を向ける態度を表し、落ち着いた集中を感じさせる。 - 谦和|qiān hé — チエンホー
謙虚で穏やか。
自分を低く保つ姿勢が、自然な品格として伝わる。 - 静德|jìng dé — ジンドゥ
静かな徳。
声高に語られない善を指し、内に秘めた価値を示す。 - 守真|shǒu zhēn — ショウジェン
真を守る。
本質から離れない生き方を示し、揺るがない芯を感じさせる。 - 安分|ān fèn — アンフェン
分をわきまえる。
身の丈を知る姿勢が、穏やかな安定感を生む。 - 清正|qīng zhèng — チンジョン
清らかで正しい。
濁りのない在り方を表し、信頼と静かな威厳がある。 - 宁静|níng jìng — ニンジン
静けさ。
外界に左右されない落ち着きが、心を穏やかに整える。
水と流れ
川や雨、霧など、水に関わる言葉を集めました。柔らかく形を変えながら続く流れを通して、感情や時間の比喩としても使われてきた表現がです。
- 流水|liú shuǐ — リウシュイ
流れる水。
止まらず進む様子が、時間や人生の比喩として静かに響く。 - 清泉|qīng quán — チンチュエン
澄んだ泉。
汚れのない水源として、純粋さや始まりを感じさせる。 - 水纹|shuǐ wén — シュイウェン
水の波紋。
小さな揺れが広がる様子から、感情の余韻を連想させる。 - 江畔|jiāng pàn — ジアンパン
川辺。
流れと陸の境界に立つ場所として、静かな時間が漂う。 - 细雨|xì yǔ — シーユー
細かな雨。
音を立てずに降る雨が、やさしい気配を空気に残す。 - 水色|shuǐ sè — シュイサー
水面に見える色合い。
透明感を含んだ色合いが、清潔で涼やかな印象を与える。 - 涟漪|lián yī — リエンイー
さざ波。
静かな水面に生まれる揺れが、繊細な感情を映す。 - 江水|jiāng shuǐ — ジアンシュイ
川(とくに長江)の水。
絶えず流れ続ける存在として、時の大きさを感じさせる。 - 雨声|yǔ shēng — ユーシェン
雨音。
耳に届くやわらかな音が、心を内側へ向かわせる。 - 水流|shuǐ liú — シュイリウ
水の流れ。
形を持たない動きが、柔軟さと持続を同時に示す。 - 湖面|hú miàn — フーミエン
湖の表面。
静まり返った水面が、心の鏡のような役割を持つ。 - 清流|qīng liú — チンリウ
澄んだ流れ。
透明な水が続く様子に、誠実さや正直さが重なる。 - 水岸|shuǐ àn — シュイアン
水辺。
陸と水が触れ合う場所として、落ち着いた余白を感じさせる。 - 微澜|wēi lán — ウェイラン
わずかな波。
ほとんど動かない水面に生じる揺れが、繊細な変化を伝える。
花と植物
花木や草に由来する言葉を集めました。季節感や生命の儚さ、美しさを含んだ語が多く、視覚的なイメージと結びつきやすい表現です。
- 花影|huā yǐng — ホアイン
花の影、花が落とす影。
月明かりや灯りの下で揺れる影として、詩文でもよく現れる表現。 - 花期|huā qī — ホアチー
植物が開花する時期、または開花が続く期間。
「今年は花期が遅れる」のように、季節のずれを語るときにも使われる。 - 芳草|fāng cǎo — ファンツァオ
香りのある草(香草)。
古典では、香りのよさから転じて「徳のある人」や「美しいもの」の比喩にもなる。 - 花雨|huā yǔ — ホアユー
花が雨のように舞い落ちるさま。
また、仏教語として「天が花を散らす」ことを指す用法もある。 - 青藤|qīng téng — チンテン
青い蔓(つる)、青みを帯びた藤。
単独の一般語としては場面を選ぶが、「青藤紙(道教の文書用の紙)」のように語の要素として現れる。 - 落花|luò huā — ルオホア
散って落ちた花、落花。
花が終わる気配まで含み、季節の移ろいを静かに映す語。 - 花香|huā xiāng — ホアシアン
花の香り。
視覚ではなく匂いとして残るものを指し、記憶や気配の描写にも使われる。 - 新芽|xīn yá — シンヤー
新しく出た嫩芽(やわらかな芽)。
植物が伸び始める瞬間を表し、春の始まりの感触に近い言葉。 - 花径|huā jìng — ホアジン
花木の間の小道、花の小径。
杜甫の詩にも見える語で、庭や林の奥へ続く道の情景を帯びる。 - 绿荫|lǜ yīn — リュイン
葉の茂る木々が作る陰、緑陰。
夏の涼しさや、光を和らげる濃い影を思わせる。 - 花枝|huā zhī — ホアジー
花のついた枝、花の枝ぶり。
文語では、容貌の美しい女性をたとえる用法もある。 - 草木|cǎo mù — ツァオムー
草と木、草本と木本を合わせた総称。
草木が深い、草木が枯れる、のように景色の変化を言い表すときにも用いられる。 - 春芽|chūn yá — チュンヤー
春に出る新しい芽。
また、春に摘んだ茶葉(春茶)を指す用法もある。 - 花色|huā sè — ホアサー
布などの「柄・色合い」、または品物の「種類」。
「玩具の花色が多い」のように、バリエーションを言うときにも使われる。


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