感情を表す古語 70種類|感情を伝える美しい言葉一覧

感情を表す古語|感情を伝える美しい言葉一覧 自分を整える(セルフケア・習慣・言葉)

4. 怒り・憤りを示す古語とその背景

古語の中には、怒りや不満、苛立ちなどを表す語彙も豊富に存在します。「あさまし」「にくし」「いみじ」など、強い感情を伴う言葉の意味とそのニュアンスの違いを解説。

  1. にくし
    現代語と同じく「憎い」という感情を示す語だが、軽い嫌悪から強い憎しみまで幅広い感情に使われる。
  2. あさまし
    驚き・呆れ・失望を含む語で、「思いもよらぬことに対する憤りや落胆」を表す場合に用いられる。
  3. いみじ(憎しみの文脈)
    「とても」「ひどく」の意味を持ち、文脈によっては「怒り」や「不快感」が強調される語となる。
  4. かたはらいたし
    「気まずい」「見ていてつらい」「恥ずかしい」という感情を持つ語で、他人のふるまいに対する怒りや不快感として使われることもある。
  5. こころづきなし
    「気にくわない」「不愉快だ」という意味で、嫌悪や怒りに近い感情を表す。
  6. むつかし
    本来は「不快だ」「気味が悪い」といった意味だが、場面によっては苛立ちや怒りを示す際にも使われる。
  7. あたらし
    「もったいない」「惜しい」の意味だが、「無駄になって腹立たしい」という感情を帯びる場合もある。
  8. わりなし
    「道理に合わない」「耐えがたい」という意味で、理不尽さに対する怒りや苦しみを表現する。
  9. あいなし
    「つまらない」「気に入らない」という軽い怒り・不満の感情を示す。恋愛などで思い通りにいかないときにも使われる。
  10. うとまし(疎まし)
    いやだ、気味が悪い、疎ましい。人や出来事を「避けたい・受け入れがたい」と思う強い拒否感を表す。怒りや嫌悪が入り混じった感情で、相手を遠ざけたい気持ちを示す語。

 

5. 恐れや不安を表す古語の世界

恐怖や不安、畏れといった感情も古典の中で繊細に描かれています。「おそろし」「かしこし」「あやし」など、単なる怖さではない、尊敬や神秘への畏怖など複雑な意味合いを含んだ語について紹介します。

  1. おそろし
    現代語と同じく「怖い」という意味。怪異や死、自然災害、権力者などに対する直接的な恐怖を表す。
  2. かしこし
    「恐れ多い」「畏敬すべき存在」としての感情を示す語。神仏や高貴な人物に対しての畏れと敬意が込められる。
  3. あやし
    「不思議だ」「怪しい」といった感情を含む語で、得体の知れないものへの不安や疑いを表す。
  4. こころもとなし
    「頼りない」「不安だ」という意味で、先の見えない状況や、相手の気持ちがわからないときに生まれる不安感を表す。
  5. いぶせし
    心が晴れず、もやもやするような不安感や気詰まりを感じるときに使われる。「何かあるのでは」と疑念を含む語。
  6. うしろめたし
    「気がかりだ」「不安が残る」といった意味。未来への不安や、他人に対して後ろめたい思いを抱く場面で使われる。
  7. おぼつかなし
    「はっきりしない」「心配だ」という意味で、物事がどうなるかわからず不安になる気持ちを表す。
  8. いまいまし
    本来は「忌まわしい」「不吉だ」という意味で、縁起が悪いことへの恐れや避けたい気持ちを伴う。
  9. つつまし
    「遠慮される」「気がひける」といった意味で、相手に対する恐れや、失礼を避けようとする内向的な感情を表す。
  10. こわし
    「怖い」「恐ろしい」の意味で、肉体的・精神的な危険に対して本能的に感じる恐怖を指す。

 

6. 驚きや予想外の出来事に対する古語表現

「めづらし」「あさまし」「いみじ」など、驚きや意外性に反応する感情を表す古語には、賞賛・失望・感動など多様な感情が込められています。

  1. あさまし
    驚き・呆れ・失望などを含む感情語。思いがけないことが起きたときの、強い衝撃を伴う驚きを表す。
  2. めづらし
    「珍しい」「新鮮だ」というポジティブな驚きに使われる。美しい景色や初めての出会いなどに対して用いられることが多い。
  3. あきる
    「呆然とする」「言葉を失う」という意味で、驚きやショックで反応できない状態を表す。現代語の「あきれる」とはやや異なる。
  4. けしきばむ
    事態の変化や相手の気配を敏感に察知したときの「不穏な予感」や「違和感」を含む語。驚きと不安が混ざる。
  5. おどろく
    現代語の「驚く」と同義。思わぬ出来事や音、気配などに敏感に反応する感情を表す。
  6. まがまがし
    「不吉だ」「縁起が悪い」といった意味で、突然の異変や悪い兆しに対する驚きと恐れが含まれる。
  7. かたじけなし(驚きの文脈)
    「もったいない」「ありがたすぎる」という驚きと感動が混ざった語。主に身に余る恩を受けた際に使われる。
  8. いみじ(驚きの文脈)
    程度の大きさを強調する語で、「すばらしい驚き」や「ひどい驚き」など、文脈により正反対の意味を持つ。
  9. おどろかす
    「驚かせる」「目を覚まさせる」という意味で、外からの働きかけによって相手を驚かせる表現。
  10. ものぐるほし
    突発的な出来事などで、我を忘れるような状態を表す語。驚きや混乱で取り乱すような感情を含む。

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