良縁・家庭円満(結びの縁起と贈りの作法)
人とのつながりを大切にする気持ちは、結びの形や包み方にも映ります。ほどけにくさ、対、循環といった発想が、末永さの願いになります。
- 水引 — みずひき
結び方に意味が込められ、ほどけにくい結びは「縁が続く」願いを表します。 - あわじ結び — あわじむすび
強く結ばれほどけにくい形から、末永い縁を願う結びとされます。 - 叶結び — かのうむすび
「願いが叶う」に通じる結びとして知られ、御守りの意匠にも用いられます。 - 紅白蝶結び — こうはくちょうむすび
何度あっても嬉しい祝いに用いられ、良縁が重なる願いを表します。 - 蝶結び(花結び) — ちょうむすび
結び直せる形から、繰り返し訪れてほしい祝い事に用いられます。 - 結び切り(真結び/本結び) — むすびきり
ほどけにくい結びで、「一度きり」の願いを込め、婚礼などに用いられます。 - 結び目 — むすびめ
ほどけないよう結ぶ所作そのものが、ご縁を保つ象徴として扱われます。 - 夫婦箸 — めおとばし
二膳一組の箸。日々を共にする姿に夫婦円満の意味が重ねられます。 - 祝儀袋 — しゅうぎぶくろ
気持ちを包んで渡す形式に、相手との関係を大切にする意味が込められます。 - 熨斗 — のし
伸し鮑に由来する祝意のしるし。慶事に添えられる縁起の要素です。 - 結文 — むすびふみ
手紙を結ぶ形式に、約束や縁を大切にする心を重ねた表現です。 - 縁結び守 — えんむすびまもり
良縁を願って授与される守り。思いを託す形として親しまれています。
健康・長寿(無病息災に結びつく象徴)
健やかに暮らし、穏やかに年を重ねることへの願いが込められた縁起です。言葉、道具、信仰がそれぞれの形で残ってきました。
- 無病息災 — むびょうそくさい
病なく日々を過ごすことを願う言葉。多くの縁起の根にある考え方です。 - 鶴亀 — つるかめ
鶴と亀を重ね、長寿と祝意を強く表す組み合わせです。 - 瓢箪 — ひょうたん
実りの多さから繁栄の象徴ともされ、六つそろえる「六瓢」は無病息災に通じます。 - 薬玉 — くすだま
香草や薬草を詰めて邪気を祓う行事具。健康祈願と結びつきます。 - 延命地蔵 — えんめいじぞう
長寿や健康を願って信仰される地蔵尊。各地で祈りが捧げられています。
吉祥を担う動物(守り・出世・福の象徴)
生き物の性質や姿に、守りや繁栄の願いを託してきました。信仰や民俗、語呂合わせなど、意味づけの層が重なっています。
- 鶴 — つる
長寿と吉兆を象徴する瑞鳥。祝いの意匠に多く用いられます。 - 亀 — かめ
長命と安定の象徴。鶴と対で扱われることも多い存在です。 - 龍 — りゅう
水と結びつく霊獣。守護や繁栄、運気上昇の象徴として語られます。 - 鯉 — こい
滝をのぼる姿に、努力や立身出世の願いが重ねられます。 - ふくろう — ふくろう
当て字から幸運や知恵の象徴として親しまれています。 - 蛙 — かえる
「無事に帰る」「福が返る」に通じ、旅の安全や金運を願う縁起物です。 - 白蛇 — はくじゃ
神聖視され、弁財天信仰と結びついて財運や良縁の象徴とされます。 - 狛犬 — こまいぬ
神前を守護する一対の像。邪気を祓い場を整える意味を持ちます。 - 鳳凰 — ほうおう
平和な世に現れるとされる想像上の鳥。徳と繁栄を表します。 - 鹿 — しか
神の使いとされることがあり、神聖さと生命力を感じさせる存在です。 - 鷹 — たか
初夢の吉兆として知られ、勝運や見通しの良さの象徴として語られます。 - 干支の動物 — えとのどうぶつ
その年の守りとして飾られ、十二支それぞれに意味づけがあります。


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