新しい年を迎えるとき、筆を手に「今年の思い」を書き初めに託す――。
けれど、いざ書こうとすると
“どんな言葉がいいのだろう”
“意味のある言葉を書きたい”
そんな迷いや願いが胸に浮かぶものです。
ここでは、縁起の良い言葉や美しい日本語を、意味付きで一覧にしました。
この一覧を眺めながら、「今年はこれを書いてみよう」と思える一語に出会えたなら、
きっと筆を取る手に自然と新年の決意が宿るでしょう。
あなたらしい言葉を見つけて、心を込めて筆を走らせてみてください。
書道・書き初めに使える縁起語・美しい言葉 一覧
1. 新春を祝う美しい賀詞の言葉
書き初めといえば、新年を寿ぐ「賀詞」が定番です。
「迎春」「頌春」「謹賀新年」などの言葉には、新しい年の始まりを清らかに迎えたいという願いが込められています。古くから書状や掛け軸に使われてきたこれらの語は、正月らしい格調と華やかさを兼ね備え、書道作品としても映える表現です。
- 迎春(げいしゅん)
春を迎えること。新春を祝う最も一般的な賀詞。 - 頌春(しょうしゅん)
春をたたえる意味。上品で格調の高い表現。 - 賀春(がしゅん)
春を祝うという意。年賀状などで多用される。 - 初春(しょしゅん)
新しい春。旧暦で新年を「春」と呼んだことに由来。 - 新春(しんしゅん)
新しい年の春。正月を指す言葉として定着。 - 謹賀新年(きんがしんねん)
つつしんで新年を祝うという格式ある賀詞。 - 恭賀新年(きょうがしんねん)
うやうやしく新年を祝す意。目上に向けて使われる。 - 慶春(けいしゅん)
春を慶ぶ語。古典的で優雅な印象をもつ。 - 瑞春(ずいしゅん)
めでたい春の到来。吉兆をあらわす「瑞」の字が入る。 - 春和(しゅんわ)
穏やかな春の意。平和や安らぎの象徴。 - 祥雲(しょううん)
吉兆をあらわす雲。瑞雲とも呼ばれる。 - 瑞雲(ずいうん)
幸運の兆しをもたらす雲。慶事や昇進を祝う際にも使われる。 - 千秋万歳(せんしゅうばんざい)
長寿や繁栄を祝う賀詞。古典的で格調が高い。 - 延寿(えんじゅ)
寿命を延ばすこと。長寿祈願の意味を持つ。 - 新禧(しんき)
新しいよろこび。文語的な賀詞で、格調高い書に向く。 - 慶賀(けいが)
おめでたいことを祝う。正式な儀礼にも使われる語。
2. 縁起の良い吉語・四字熟語
「一陽来復」「千客万来」「開運招福」など、吉祥を意味する語句は書き初めに最もふさわしいテーマの一つです。
古来より、こうした言葉は「福を招く」「運を開く」象徴として新年の飾りや掛け軸に用いられてきました。
自分や家族の幸せを祈る願いを、力強い筆致で表現できるのが魅力です。
- 開運招福(かいうんしょうふく)
運が開け、福を招くこと。新年の代表的な吉語。 - 一陽来復(いちようらいふく)
冬が終わり陽の気が戻るという意。運勢回復や好転の象徴。 - 一粒万倍(いちりゅうまんばい)
わずかな努力が大きな実りにつながるという吉日語。 - 瑞祥(ずいしょう)
めでたい前兆や吉兆のしるし。瑞気・瑞雲などと共に用いられる。 - 長寿富貴(ちょうじゅふうき)
長く生き、財にも恵まれること。人生の理想を表す。 - 家運隆盛(かうんりゅうせい)
一家の運が盛んになる。家族繁栄を祈る正月の書き初めにも。 - 立身出世(りっしんしゅっせ)
社会的に成功を収めること。努力と夢を象徴する縁起語。
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