【古典的美辞・文学的表現】
- 綾羅錦繍(りょうらきんしゅう)
豪華で美しい衣装や飾り。風雅な美術や詩に登場する華麗な表現。 - 鏡花水月(きょうかすいげつ)
鏡の中の花、水に映る月のように、捉えがたく儚い美の象徴。 - 閑雲野鶴(かんうんやかく)俗世を離れ、自然と共に自由に生きる人のたとえ。孤高にして風雅なる生き方。
- 風花雪月(ふうかせつげつ)
風に舞う花、雪に照らされる月。自然の中に見出す四季の美の詩語。 - 月明星稀(げつめいせいき)
月が明るく輝くと星は見えなくなる。明暗の対比による詩的情景。 - 清風明月(せいふうめいげつ)
清らかな風と明るい月。物に頼らぬ心の清々しさを示す語。 - 風林火山(ふうりんかざん)
風の如く素早く、林の如く静かに、火の如く攻め、山の如く動かず。 - 白砂青松(はくさせいしょう)
白い砂浜と青い松林。日本的な海辺の風景美を詠む古来の詩語。 - 深山幽谷(しんざんゆうこく)人の手の届かぬ深い山と谷。俗世を離れた静寂の地、孤高の境地を表す熟語。
- 星月夜(ほしづきよ)
星と月が共に輝く夜。澄んだ夜空の美しさと、心の静けさを呼ぶ語。
【自然・詩・幽玄の美】
- 幽栖(ゆうせい)人里離れた静かな住まい。世を離れた高人、あるいは仙人の居所のような語。
- 風立ちぬ(かぜたちぬ)
風が立ち始める季節の変わり目を感じる語。新たな始まりの象徴。 - 夜半の月(よわのつき)
深夜に輝く月。静寂と孤独、美しさが入り混じる幻想的な風景。 - 紅葉狩(もみじがり)
秋の紅葉を愛でる風習。移ろう季節を楽しむ日本特有の美意識。 - 東雲(しののめ)
夜明け前の淡い空。新しい一日が始まる前の、神秘的な時を指す語。 - 薄明光線(はくめいこうせん)
雲間から差す光の筋。天の恵みのような幻想的現象として讃えられる。 - 風花(かざはな)
晴天にちらつく雪。春先や晩冬に見られる、はかなくも美しい自然現象。 - 夕凪(ゆうなぎ)
夕暮れ時、風が止んで静寂が訪れる瞬間。心の安らぎをも象徴する。 - 明鏡止水(めいきょうしすい)
曇りなき鏡と静かな水のように、雑念のない心の状態を表す熟語。 - 天上天下(てんじょうてんげ)
この世に唯一無二の存在であること。仏教にも通じる尊厳の言葉。
【文学・情景・無常の美】
- 夢見草(ゆめみぐさ)
桜の異名。見れば夢のように儚く、散ればまた夢のごとき花。 - 夜長月(よながづき)
秋の長く静かな夜を意味する。物思いに耽るには最適の時節。 - 夕月夜(ゆうづきよ)
夕暮れに月が昇る情景。昼と夜の境界にある、幻想的な時間帯。 - 水無月(みなづき)
旧暦六月。水がないどころか、水が必要な季節に由来する雅な表現。 - 風鈴之音(ふうりんのおと)
夏の涼しさを呼ぶ風鈴の音色。音の余韻に風情が宿る典型。 - 露草(つゆくさ)
朝露の中で咲き、すぐしぼむ青い花。短命だが清楚な美の象徴。 - 鳴かず飛ばず(なかずとばず)
しばらく目立たぬが、機が熟せば大成することのたとえ。 - 風雪に耐える(ふうせつにたえる)
困難を乗り越えて生きる強さ。自然の厳しさを超えた精神の喩え。 - 行雲流水(こううんりゅうすい)
空の雲と水の流れのように、執着せず自然体で生きる心を表す語。 - 盛者必衰(じょうしゃひっすい) 強く栄えた者も、いずれは衰える。平家物語の冒頭にして、すべての無常を語る一句。
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